不動産評価編
Q1:建売住宅で売れ残っている物件を検討する際の注意点
8カ月ほど売れていない建売住宅について、割引価格での提案を受けました。1割引になるというので前向きに検討しているのですが、売れ残っている物件を検討する際に気をつけるポイントを教えてください。
A:価格に見合った物件か?
売れ残る物件にはいろいろな要因があると思いますが、一般的には、万人向きではないということが考えられます。ですから、その一般的ではないという要因をクリアできる生活スタイル、金額、その他の条件などが満たされるなら購入しても良いと思います。
一番重要なのは、やはり金額だと思います。比較できる物件との対比で、その物件よりどのくらいダウンなら妥当かという検討をしてみるのも面白いと思います。
建売販売計画上では、数十戸の団地ではもう少しいけるかというところでしょうが、小規模団地では1割引は妥当なところだと思います。
Q2:浄化槽跡地の購入に悩んでいます
国道沿い(道路幅14m)で215.66m²、1300万円なのですが、元が集中浄化槽跡地で、下水道が通ったので浄化槽を取り除き宅地にしています。ただ、浄化槽跡地というのが個人的なイメージだけで気になり、決めかねています。浄化槽跡地というのはどうなのかなと思い、漠然とした質問ですがお願いします。
A:気分的なものが大きい?
集中浄化槽跡地の分譲は開発業者がよくやることです。整地費用だけで、開発後のオマケのような土地が商品になるのですから、安く分譲できるというものです。地下擁壁などの工作物の除去がきれいにできているか、またコンクリートのガラが地中に残されていないかという程度で、一般の宅地と同じです。仰る通りイメージ的なものが先行していると思われますが、それ故に安いという割り切りができるようであれば決断しても良いと思います。
Q3:建売住宅の資産価値はどう考えればよい?
資産価値を考えたときに、建売住宅というのは有利ですか?不利ですか?またどんな建売住宅のほうが価値が高くつきやすいか、教えてください。
A:将来的価値をどう見るか
ここでいうところの資産価値・価格というのは、将来の住み替え売却を考えたときの残存価格という意味だろうと思われます。
結論から言えば、現在や10年、20年先程度であれば建売であろうが注文建築であろうが、そんなに格差が出るとは思えません。というのは、一昔前から「量から質の時代」と言われながら「質」の時代になる気配がないこと、住宅性能についても法令化されながらも一般への住宅の質的な啓蒙運動的なものが盛り上がらないことが挙げられます。
近年は建築不況もあり、建売にしては設備仕様が素晴らしい物件も出てきていることから、ライフスタイルを住宅に合わせるという意味では建売でも十分「使える」と思います。また、将来の売れやすさを考えるなら、間取りは一般受けする物件が良いようです。万人向けであれば売れる間口は広がります。
やっとですが、福田首相が「100年住宅」に力を入れると言い出しています。そして、少しずつではありますが、特徴的・個性的な住宅も売れるようになっているようですが、もう少し時間がかかると思います。今はまだ住宅より土地の価値が重視される時代なのでしょう。
Q4:中古一戸建て、決めて良いか迷っています
こんにちは。現在賃貸戸建てで家賃90000毎月支払っているのが嫌で、夢だった戸建て購入を検討中です。
現在、迷っている物件が2件あるのですが、どちらかを選んだ方が良いのか、または全く違う家を探したほうが良いのか悩んでいます。
また、大きな買い物なので、思い切りもつけにくく迷っています。
A:焦らず良い物件を探してください
どちらにしても強引な購入ということでしょうか。焦らず良い物件を探してください。当面の住まいとして、現状必要な最低条件を満たす物件でも良いのではないでしょうか。
ライフスタイルに合わせた物件を必要なときに買い換えていくという意味では、将来、不動産価値が残る物件を探してください。特殊な物件は最終的な住処としては良いかもしれませんが、買い替えの際には難しいと思います。
Q5:調整区域の土地を売る時のデメリットは?
170坪ほどの事業用地の購入を計画しています。一つ気になる点があり、それは、調整区域のせいかやけに土地の値段が安いことです。坪20万円ですが、100メートルも離れていない市街化区域では60万円もしています。調整区域となると、こんなに差があるものなのでしょうか?
仮に今度、売るとなるとどのようなデメリットが考えられますか?教えてください。よろしくお願いします。
A:安いのは人気がないということ
市街化調整区域は、線引きの見直しとなる10年ごとに市街化を「調整」されています。調整区域は建築物が建てられないこともあり、主に資材置き場としての用途しか考えられません。汎用性がない分、安い金額設定なのでしょう。そういう意味では、将来の売却時の問題は何といっても、上記の通り制限があり、人気がない→安い→売れにくいということです。事業用で検討ということであれば、費用対効果を十分考えて決断してください。
ただ、近くまで市街化の波が来ていることを考えれば、先行投資的な購入も考えられます。また、沿道サービス業としての建築であれば可能な地域なのかもしれませんので、再度確認してください。
Q6:建物(一戸建て)の査定評価について
早速ですが、一戸建て住宅(土地付)を売却する際の査定評価について教えて下さい。今、築11年の一戸建てに住んでおり、そろそろ外壁等のメンテナンスが必要となってきたのですが、外壁塗装となるとある程度まとまった金額が必要になり、そのタイミングを決めかねています。
というのも、近所に住む友人が不動産屋に住宅の売却の見積もりを取ったところ(築年数、土地・敷地面積全てうちとほぼ同じ)、10年を経過した家の査定評価はなし(0円)で土地代分の評価しかないと…
例え外壁塗装済みでも、水周り等がリフォームされていても、家の評価がプラスになる訳ではないと言われたらしいのです。これが大手ハウスメーカーの家だとまた話は別らしいのですが…
そもそも査定を上げるために行なうメンテナンスではありませんが、家にどれだけ手を掛けても査定で評価されないというのは本当でしょうか?まだ確定ではありませんが、5年~10年先位には今の家を売却し、転居も視野に入れておりますので、そのあたりも含めたアドバイスをよろしくお願い致します。
A:土地と建物は分けて査定するのが一般的
不動産の査定については地域や業者により提示の仕方にある程度の差は出るものの、ある程度の査定金額は近隣の販売物件との比較ができるかと思います。問題は不動産業者の対応の仕方ではないでしょうか。住居として長年住み慣れた家ですから、土地は別にして建物の価値がないと言われれば面白くないのは仕方のないことと思います。土地と建物は分けて査定するのが一般的ですが、おそらくその業者は近隣の販売物件から類推し、建物評価を無視した形でアバウトな金額を提示したものと思われます。
土地の評価は上下変動しますが、建物は償却資産ですから下がるだけです。きちんと基本にのっとった査定で説明してくれる業者もいるはずです。建物査定についても、不動産業者の上部組織である(財)不動産流通近代化センターから評価基準が提示されています。CD-ROMに入っている情報では、うろ覚えですが、木造建築物の耐用年数は23年だったと思います。それ以上経過しても「評価金額なし」ではなく、また、リフォームしていればその部分の残存評価は当然あります。