Q&A(過去の問答集)

不動産税務編

Q1:土地の購入費用について

はじめまして。土地の購入にてご相談があります。
いま、土地の購入を検討しています。良い物件があったのですが、売主様が税金対策のために代金の一部を預かり金として手続きを行いたいとの依頼を受けました。
(詳細)
代金350万のうち200万円は領収書をお渡しするが150万円は預かり書を渡す形にし、所有権移転登記後は預かり書を破棄してほしいとの事。一般的に行われている事なので……と。どうしても契約の最後の一歩が出ない状況です。
心配しているのは、法律上問題ないか?購入後の検査で指摘(発覚)しても問題ないか?確定申告では大丈夫か?後々売却した際に350万で売却可能か?脱税に関与するようなことはないか?など、高価な購入でもあり一生のことを考えると悩んでいます。よろしくお願いいたします。

A:脱法行為になります

公になれば当事者は同罪となります。売主の方とその経緯や対策について誠心誠意、話し合いが必要です。

Q2:土地売買で税金を少なくするには

A所有の土地(更地の宅地100坪)があります。AはBに無償贈与したいのですが贈与税がかかるので売買しようと思っています。
Aは土地を20年前に金利8%で調達した資金1000万円で購入しました。現在の課税評価価格は500万円、路線価価格は1500万円です。Aは1000万円以下で売却すれば譲渡所得が0となり、Bは500~1500万円で購入すれば取得税が15万円(500×3%)かと思いますが、500万円での売買で問題ないでしょうか。

A:公示価格をベースに

相対での不動産売買の基準となるのは公示価格です。ただし、公示価格の事例ポイントが少ないため、一般的には路線価から算出します。公示価格の8割が路線価ですから、路線価÷0.8で求められます。ここから基礎控除の年110万円分を差し引いた売買価格が妥当なところだと思います。取得税は固定資産税評価額の3%ですから、こちらは確定しています。
もし今回の当事者が親子夫婦間であれば、相続時精算課税制度を利用されてはいかがでしょうか。贈与時に便宜的に税額を払い、相続時に精算するという方法です。この贈与時の税額は、物件評価額から2500万円の控除があり、残った金額の20%です。相続時はこの支払金額を含め相続税が決められ、精算され、還付があれば返金されます。
また、相続時の基礎控除額は5000万円+1000万円×法定相続人の数となっています。詳細は税務署で確認いただくか、税理士にご確認ください。

Q3:土地売却にかかる税金は?

父が死亡し4年経ちますが、土地等相続手続きをしていません。(固定資産等は、私が納入してます)相続手続きをしてから一部土地を売却しようと思ってます。その際の税金は?

A:長期と短期

不動産を売却し所得が発生するということであれば、一般的には5年以上の所有期間で長期譲渡所得税(住民税込20%)がかかり、5年未満であれば短期譲渡所得税(同39%)がかかります。相続の場合の取得時期はお父様が取得した時期が引き継がれます。
注意点は、
①5年の算定基準とは、譲渡した年の1月1日現在での所有期間ということ。
②取得価格が明らかでない場合は譲渡価格(売れた金額)の5%が取得価格となる点。(5%原価ルール)
蛇足ですが、相続発生から2ないし3年以内であれば俗に言う「相続税納税のための非課税特例」が使えたと思います。相続税も払い、しかも譲渡税も払うでは税の二重取りではないかという考えからです。詳細は国税庁のHPで確認できます。

Q4:売れない土地はどうすれば…

売れない土地を持っていて、固定資産税だけ払うのがバカにならないので寄付するか譲りたいのですが、どうしたらいいでしょうか?地元の不動産にも市役所にも言ってみましたが今のところ連絡がない状態なんです。税金を滞納したらどうなりますか?

A:オークションが一つの方法

税金を滞納するのは良い方法ではありません。行政は最終的に回収できなければ金融資産すべてをくまなく探し出します。やはり、きちんと販売に取り組んでくれる不動産業者を探すべきです。その中には不動産オークションを取り扱っている業者もいると思いますので、一つの選択肢としてみると良いでしょう。

Q5:家屋つきの土地を引き継ぐ良い方法は?

現在健在中の妻の両親から土地と家を引き継ぐ話が出ているのですが、どの様にしたらお金があまりかからないで済むかよくわかりません。(恐らく相続税?か贈与税?などが課税対象になるように感じます)
どの様にすればよいかアドバイスをいただけないでしょうか?

A:贈与税の繰り延べで

両親が生前中に納税額を抑え名義を変更したいということであれば、相続時精算課税制度を利用されてはいかがでしょう。贈与時に便宜的に税額を払い、相続時に精算するという方法です。名義はもちろん奥さんとなります。このときの税額は、物件評価額から2,500万円の控除があり、残った金額の20%です。相続時はこの支払金額を含め相続税が決められ精算し、還付があれば返金されます。
また、相続時の基礎控除額は5,000万円+1,000万円×法定相続人の数となっています。詳細は税理士または税務署でご確認ください。

Q6:土地の短期売却

半年前に住居用に土地を購入し、注文住宅の設計をしておりました。しかし、転勤の可能性がでてきたため、購入した土地を売却したいと考えております。購入して半年の土地でまだ居住していない土地を売却する場合、税金等どのような費用がかかるか、また特別な手続きが必要なのか教えてください。よろしくお願いします。
なお、土地は現金で購入したため、住宅ローンなどは現在ありません。また建築会社ともまだ契約しておらず、住宅ローンの契約もしていない状態です。よろしくお願いいたします。

A:所有期間5年以下の短期譲渡所得

住宅を購入すると転勤、とはいつの時代もよく言われます。しかし、今回の場合は建築まで取り掛かっていないということですね。このケースでの売却は残念ながら居住用としての売却に当たらないため、所有期間5年以下の不動産短期譲渡所得の対象となり、控除がありません。住民税9%を含む39%が譲渡所得に対し課税されます。翌年の3月15日までに確定申告してください。しかし、譲渡に関し所得(利益)が出ない場合は、もちろん、課税対象外です。
余談ですが、物件に借入がないということであれば、その土地に関して、ゆっくり将来的なことを考えることもできるのではないでしょうか。売却の選択肢のほかに、借家やアパートなどの収益物件を建てることもできます。(ちなみに5年越え売却の場合の長期譲渡所得の税率は住民税5%を含む20%となっています)
※最終的には、租税特別措置法の特例がないかどうかを含め、税務署で確認してください。親切に相談に応じてくれます。

Q7:連帯保証を逃れるために名義変更をしたい

夫の勤める会社が倒産しそうになり、連帯保証を逃れるために夫名義の二箇所の土地の名義変更をしようと考えています。長男夫婦は町外に住み次男夫婦は町内に居ます。今住んでいる土地は妻の私名義にしようと考えていますが、もう一箇所の土地名義は農地の為私の名義には出来ないそうです。それで宅地に地目の変更をして息子に名義変更をした場合どのような税金が幾らほどかかりますか?ちなみに夫57歳、妻54歳、結婚期間は34年です。
会社が倒産しそうになってて退職金や会社の持ち株資金も返って来そうに無くこの後の老後が心配です。

A:可能なら素早く処分するのも一つの方法

通常、農地を用途転用する場合は農業委員会へ届出し、許可が必要です。しかも農地は基本的には農家しか所有できません。会社員のご主人が所有しているということですから、正確には農地のような畑・山林の類と解釈し、お答えします。
息子さんに土地の名義変更をするということは、売買などで譲渡するということになります。売買の場合、息子さんには不動産取得税が固定資産税評価額の3%が課税されます。また、売買で利益が出るような金額設定であれば、ご主人には所有期間5年以上で、利益の20%が課税されます。所有期間が5年以下であれば、利益の39%が課税されます(住民税も含む)。利益が出なければ課税されません。
売買の設定金額は固定資産税評価額で設定しておけば、税務署から過剰に低い価格との指摘を受けずに済むと思われます。その他として登記諸費用(主に登録免許税が固定資産税評価額の1%)がかかります。司法書士に見積もりを依頼されることをお薦めします。
ご自宅の件ですが、婚姻期間が20年を越えたご夫婦ですから、ご主人から奥さまに贈与したとしても特例で贈与税はかかりません。しかし、奥さまには不動産取得税(上記に同じで3%)だけがかかります。老後が心配ということであれば、不要な不動産はできれば素早く処分し、換金しておくのも一つの方法かもしれません。

Q8:不動産の売却に関する税金について

5億円の評価のビルを売却したいと考えております。その場合、2割が税金に取られると聞いておりますので、4億円の手取りになるかと思います。(この件については、確信がありません。)この4億円を元手に、今、目をつけている分譲マンションを一棟買いし、現在テナントが入っているところは、そのまま家賃収入として、残りをバラして個別で売却しようと思うのですが(買った値段を戸数で割ったとき、それ以上の売却価格が見込めるため)、バラして販売した部分についての利益は、税金はどのようになるでしょうか。(買い替え特例などはあるでしょうか)かなり素人的な質問ですみません。
5億円のマンションを売って、4億円の現金が手元に残った場合、最終的にどのくらいで販売できれば、税金も考えてプラスになるかどうか、すなわち、このような流れで進めるための条件のようなものがわかれば幸いです。

A:違った角度から2点ほど追加いたします

まず一点は、買換え後のマンションを再販するということであれば、これは不動産の販売を継続反復することになりますので、宅建業の免許が必要ということです。
もう一点は、上記のような販売物件への買換えではなく、事業用資産への買換えという道もあります、ということです。京都市内であるなど、他に要件はありますが、事業用資産の買換え特例での節税方法という選択肢です。
いずれにしろ、ご自身でもある程度調べることは可能ですし、詳細は専門家の方にご相談されることをお薦めします。