Q&A(過去の問答集)

不動産売買編

Q1:不動産業者を通さずに売り主から直接購入したい

家の買い替えを考えているのですが、なるべく不動産業者を通さずに、売主から買いたいと考えています。
地元の不動産業者なら2500万円程度の一戸建て物件なら私でもかえる(融資)と言っています。しかし不動産を通すと仲介手数料がかかるため、なるべく自分で探したいと思うのですが、なにせ頭金があまりないため迷っています。
今考えている順番は、今まで住んでいた家のローンの残りを清算するときに銀行に新たなローンについて相談するのか。銀行とのつながりのある知り合いに相談して紹介してもらうか。それでもだめなら不動産に任せてしまうかと言う順です。
なるべくなら今までの銀行か、知り合いで事を済ませたいのですが、100%融資を希望しているため、色々難しいのかなと考えてしまって、不動産会社なら満額借りれなかった場合にもう一つの融資先の紹介までしてくれるのではないのか。
どういった順で融資について相談していった方が良いのでしょうか?

A:仲介手数料を「安心代」と捉える

直接売買ということは、多分に売主さんとは面識があるからということなのでしょうが、それにしてもトータルで売買の周辺を考えてみる必要があるように思います。仰るようにローンの件や現住居の売却とのセッティング、果ては売却後のクレームの処理といった雑務をこなすことを考えれば、不動産取引を一種の「安心代」として捉え、お任せしたほうが良いのではないでしょうか。
売買の相手方が既にあるということでは、手数料を規定以下にしてくれる業者さんもあると思いますので、お知り合いの業者さんがいれば相談してみてはいかがでしょう。

Q2:分筆前の土地の購入について

私が買おうとしている土地は広い土地を3つに分けるその一区画なのですが、現在、まだ既存の建物が建っています。
申し込み時点では、「11月初旬から解体着工、12月には隣地との境界確定、分筆の完了の後、正式な契約となる」と不動産屋さんから説明を受けていたのですが、いつまで経っても解体が始まらないので不審に思い不動産屋さんに問い合わせると、11月末まで前の持ち主がお住まいで、既存建屋の解体は12月からということになり、解体も分筆も済んでいない状態で正式契約をすると言われました。
私の購入希望地の直近で少し遅れて売り出された土地が、非常に高い値付けになっており(まだ売れてはいませんが)、「売主さんの気が変わったり、他の不動産屋さんから横槍が入らないうちに契約してしまった方が良い」というのがその理由だとのことなのですが、境界確定も分筆もしていない状況で、購入契約を結ぶというのは、不動産業界では一般的なことなのでしょうか?
もしこのような商習慣があるのでしたら、購入者はどのような点に気をつければ良いのでしょうか?
また、一旦手付け金を支払ったのに、購入できないなどという事態が発生しうるものなのでしょうか?

A:何らかの保全措置と足げに現地確認を

今回のケースのような分割分筆前の売買は、民法的にも当事者間では有効であると思います。ただ、登記までに何らかの不測の事態があったときに善意の第三者には対抗できないということになります。
一般的には、面積確定、地番による土地の特定、表示登記という過程を踏みます。なぜなら土地の地番が確定しないことには、当事者間ではA-1またはA-2等の仮番号で特定できたとしても、他者に対して商品の特定ができないということになるからです。
実績のある業者さんということですから、もう一度、残金を支払うにあたっての保全措置と不測の事態に対するリスクの説明を受けることをお勧めします。

Q3:土地の価格の交渉について

現在、新築を建てるにあたり土地を探しているところです。
先日、場所や環境等から良い物件を見つけましたが、価格が予算よりも上回っているため、価格の交渉をしてみようと思っております。ですが、初めてのことなのでどのように交渉をしたら良いでしょうか?予算オーバーなのでもう少し下がらないか?という交渉でよいものなのか?
また、現地を見に行ったところ東側になだらかですが崖を背負っており、以前に残土を捨てていた場所のようです。そこには擁壁がしてあり、「地下の岩盤まで約4メートル打ち込み コンクリート枕木でとめてありますしっかりとした擁壁を施工してあります。」とのことでした。この枕木を鉄筋でとめてあるような擁壁で、鉄筋も錆びておりましたが、擁壁自体の強度には問題はないのでしょうか?また、残土を捨てていたがもう落ち着いているので大丈夫だということでしたが、崩れてくる心配や、建築確認をとる上で問題はないのでしょうか?

A:懸念材料を価格交渉で

関連法規で考えられるのは、宅地造成規制区域の指定された土地であれば1mないし2mの切土・盛土を規制しているということ、また、いわゆる「がけ条例」に該当する土地は7m以上のがけに接した土地が対象になる、ということぐらいだと思います。当該土地の現地や地域地区がわかりませんが、おそらく「残土の山」に関しての法規制は特にないと推測します。
ただ、通常は契約の前にそのような重要事項については「重要事項説明書」という書面で説明することが義務付けられています。土地の契約や建築物を建てるにあたり、規制がないかどうかきちんと説明を受けてください。
そして、規制の有無にかかわらず現実的に擁壁の強度について建築士さんに調査をして頂き、問題があれば対処してもらうことです。特にコンクリート枕木を鉄筋で支えているのは心もとないですね。
それにまして気がかりなのは、当該土地自体が残土やガラの処理場所であった可能性が考えられることです。もしそうであれば、残土やガラで地盤強度が不均一となり、地盤改良や整地に時間と費用がかかることになります。建築士・設計士・工務店のいずれかの方と一緒に確認したほうが良いかも知れません。
最終的には予算オーバーと調査費用を口実に、正直に誠意をもって値交渉をすることをお勧めします。

Q4:不動産会社の対応に納得がいかない

去年の1月に施工されたマンションがあり、すでに1年半以上過ぎているので値引きを期待しつつ、現地見学に行きました。しかし、不動産会社の担当者が言うには、1年半経っているが、新築マンションとして、販売しているため、一切の値引きは出来ないとの回答です。また、その部屋はモデルルームになっていたのですが、新築販売としているので引渡しのときにはきれいにして渡すといってきました。ですので購入を決めました。
ところが、いざ、内検をしてみると電球は替えていない、エアコンは取りはずされていない、しまいには火災報知器の使用期限が2年近くも経過しているにもかかわらず、3年後の期限がきたら個人負担で変えてくれとの言い分です。
こちらはあくまでも新築扱いの物件だから、値引きなしの価格で購入を決めたわけであって、不動産会社の対応は納得がいきません。

A:力強い交渉力で

約束を守らない担当者は最悪ですね。言った言わないの水掛け論になるのが落ちです。
そんな担当者と交渉するよりその上司を見つけ出し、強力に交渉する、内容証明で切々と訴える、という手はどうでしょう。参考まで。

Q5:不動産仲介業の業務範囲について

私が中古マンションを購入、入居はまだの状態での質問です

  • 中古マンションの売買であったこと
  • 売主は一戸建ての新築を進めており、建物の完成まで売主は同マンションに居住すること
  • 売主、買主とも3月頃までに引越ししていただければ良いと了解していた

売買契約締結時
仲介業者より売買後の『家賃』についての話があり、相場として○○○円でと金額提示に売主、買主とも同意し又、新築一戸建てへの引越による明渡し時期について『3月頃』との話があり同意した。

売買当日(残代金決済、所有権移転手続き)
私が『所有権がかわったのでマンション管理会社への手続き』『家賃の支払い方法等の書面はないのか』と仲介業者へ尋ねたところ、マンション管理会社の手続きは『買主さんが連絡して手続きしてください』と言われ、家賃支払の件は『あとは買主、売主で話し合ってしてください』と言われました。

※後日、売主が仲介業者に売買後の賃貸契約について書類は無いのですかと、急かせたところ賃貸契約のひな型を持ってきて、『売主と買主とで契約するならして下さい、仲介業者が間に入ると別途費用が発生しますが、いいですか』と言ったということです。
これで仲介業としての業務を果たしたといえるのでしょうか?お教えください。

A:業者へ問い合わせ、不安定な状態を解消に

取引後も引き続き旧所有者が居座るケースはたまにあります。ただ、それはそれ相応の理由があるときだけです。売主の建築事情による場合は完成を待って取引することが一般的です。今回の場合で言えば、建築の竣工が何らかの予期しない理由で遅れたとか、です。
今回問題になるのは、所有権が移動しているにもかかわらず契約関係もない入居者がいることです。この状態で、無いとは思いますが何らかのアクシデントがあれば責任関係がはっきりしません。
その意味で、仲介業者がその業務を最後まで遂行しているとは思えません。業者にもう一度疑問を投げかけ、まずは不安定な状態を解消すべく賃貸契約の早期締結をお考え下さい。
良い意味でも悪い意味でも仲介手数料は成功報酬です。手数料の授受で業務終了と考える業者もいるかもしれません。頑張って交渉して下さい。

Q6:シロアリが出た!売却側の責任は…

自宅を売却する時に家がシロアリが出たとか雨漏りがしたとかの修理履歴があった場合は仲介の不動産会社と買い手の方に説明するのでしょうか。修理は済んでいて場合説明しなかった場合はどうなるのでしょうか。

A:慎重な対応が必要

最近は、売買契約の前に執り行う重要事項説明の際に「現況確認書」という書類を取り交わすことが一般的になっています。この書類で過去および現在の構造的な修理履歴や補修の必要な箇所を売主買主で確認します。
この場合のシロアリ被害や雨漏りは瑕疵担保責任(通常では発見できないところの不具合への保証)の範疇にあたります。
もしその旨の説明がなく、そのような不具合が修理後も発見されれば、それは瑕疵担保責任ということで民法上では買主がこの不具合を知ったときから1年以内であれば、売主が損害を賠償することになります。
また、損害や修理に多額の費用が発生するなど、問題が大きくなれば契約の解除もあり得ます。その意味では慎重な対応が必要です。

Q7:43条但し書き道路の場合

私どもの自宅は元々4軒長家の2件目で前面、後面も道幅が1m程しかありません。それぞれ長年に渡り各家が建て替えをし、私どもも10前に建て替えをした際、境界より2m後退して建築をし、今年隣が建て替えをしたのですが建物は2m後退しているのですが、車、塀を置かれて1m程になってしまっているのですが、行政より撤去の指導をしてもらえないですか?

A:建築審査課や建築指導課に相談を

43条但し書き道路とは建築に際しての建築基準法上の道路という解釈ですが、まったくの私道です。これが行政庁から指定を受けた公道扱いの「42条2項道路」と違うところです。
あくまで私道ですから、ご相談のような場合は、ご近所で十分なお話し合いによる解決が第一義になると思われます。
ただ、こういう問題は行政庁が建築許可を出した趣旨に反することですから、とりあえずは建築審査課や建築指導課に相談だけでもされてはいかがでしょう。

Q8:企業不動産(オフィスビル)の売却方法

メーカーの管財部門にいますが、保有しているオフィスビルの売却を検討しています。具体的な売却方法について、留意点や手順などを詳しくお教えいただけないでしょうか。特に仲介事業者との折衝などで気をつけた方がいいことなどがあれば、アドバイスください。

A:類似物件の販売実績や経験がある業者がおすすめ

仲介業者の選定に当たって大切なことは、最初のコンタクトで販売までのストーリーやターゲットが描ける業者かどうかを見極めることだと思います。行き当たりばったりのストーリーが描けない販売ではいつまで経っても売れません。類似物件の販売実績や経験がある業者があればいいですね。
WEB全盛の昨今ですので、丹念にHPで確認していけば出てくると思います。そして、複数の業者に一般媒介でお願いし、間口を広げる作業が特に必要です。参考にしてください。

Q9:シロアリ駆除されていない物件に損害請求できる?

築年数17年の木造一戸建て契約しました。付帯設備票には(シロアリ被害なし)と書かれていますが、シロアリ検査の記録も無しです。1回も駆除されていません。購入後検査をシロアリ業者に依頼し、シロアリ被害が発見された場合は瑕疵担保責任でどこまで請求できるのでしょうか?

A:業者の瑕疵担保責任

業者が売主の場合は、契約時の重要事項説明書にも記載されていると思いますが、瑕疵担保責任期間はおそらく2年だと思います。(民法では2年以上となっています)
その間にシロアリ被害が確認されれば、被った損害に対し損害請求ができます。所期の目的(この場合は住居)が達成できない場合は、契約の解除までできることとなっています。また、消費者契約法は、たとえ契約に合意しても消費者の利益を一方的に害する条項は無効としており、業者に対する指導と消費者保護を鮮明にしています。参考にしてください。